2024.04.01

管理不全空き家と特定空き家にはどんな違いがある？詳しく調査してみた！

 

管理不全空き家や特定空き家という言葉を聞いたことがありますか？
街を歩いていると、時々見かける古くて誰も住んでいなさそうな家。
これらが「管理不全空き家」かもしれません。
一方で、「特定空き家」という言葉も耳にすることがありますが、これらはどう違うのでしょうか。

管理不全空き家とは、所有者が適切に管理していないために、見た目が悪くなったり、周囲の環境に悪影響を与える可能性のある空き家のことです。
これに対して、特定空き家とは、管理不全な空き家の中でも、さらに厳しい条件を満たしたもので、行政からの指導や命令の対象となる空き家のことを指します。

この記事を読むことで、管理不全空き家と特定空き家の具体的な違いについて理解を深めることができます。
また、これらの空き家問題にどう対処すべきか、その方法についても触れていきます。

さっそく、管理不全空き家と特定空き家についてみていきましょう。

管理不全空き家と特定空き家とは？

管理不全空き家とは、その名の通り、
適切な管理が行われていない空き家を指します。

所有者が遠方に住んでいる場合や、
相続などで所有者が明確でない場合など、
さまざまな理由で管理が疎かになりがちです。

これにより、家が老朽化して危険な状態になったり、
見た目が悪化して周囲の景観を損ねたりすることがあります。

一方、特定空き家は、管理不全空き家の中でもさらに問題とされる空き家で、以下のような条件を満たしています。

（1）建築物が著しく老朽化している
（2）周囲の環境衛生を害している
（3）公共の安全を脅かすおそれがある

いった特徴があります。

これらの空き家は、
自治体によって特定空き家と指定され、
所有者に対して改善命令が出されることがあります。

こうした特定空き家の問題は、
単に所有者や近隣住民にとっての問題だけではなく、
地域全体の安全や環境美化にも影響を及ぼすため、
自治体が積極的に対策を講じる必要があります。

また、所有者にとっても、
特定空き家に指定されると様々な制限を受けることになるため、適切な管理が求められます。

そこで次は、管理不全空き家と特定空き家への対処方法についてみていきます。

管理不全空き家と特定空き家の対処方法

管理不全空き家や特定空き家が増加すると、
街の景観の悪化や犯罪の温床になる恐れがあります。

この問題に効果的に対処するためには、所有者、
地域社会、そして自治体が協力して取り組む必要があります。

まず、所有者にとっては、定期的に物件の点検を行い、
必要な修繕を怠らないことが重要です。

特に、遠方に住んでいる場合や、
相続問題で所有が複数に分散している場合は、
管理が難しくなりがちです。

そんな時は、専門の管理会社に委託することも一つの手段です。
また、利用していない空き家を地域のイベントスペースやシェアハウスなどに活用することで、
空き家が持つ問題をチャンスに変えることも可能です。

一方で、自治体には、特定空き家を積極的に指定し、
所有者に対して適切な管理や撤去を命じる権限があります。
また、自治体が中心となって空き家バンクを設置し、
空き家の有効活用を推進することも効果的です。

空き家バンクとは、空き家の情報を一元管理し、
貸し手と借り手をマッチングさせるシステムのことで、
空き家問題の解決に貢献しています。

さて、ここまで管理不全空き家と特定空き家の対処方法についてお伝えしました。

しかし、これらの空き家問題には、
さらに法的な側面も関わってきます。

所有者が対策を講じない場合、どのような法的措置がとられるのでしょうか？

そこで次は、管理不全空き家と特定空き家に対する法的措置についてみていきます。

管理不全空き家と特定空き家に対する法的措置

管理不全空き家や特定空き家の問題に対処するためには、法的な手段も必要です。
所有者が自らの責任で適切な管理を行わない場合、
自治体は法律に基づいて強制的な措置をとることができます。

2015年に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」は、管理不全空き家および特定空き家に関する対策を強化することを目的としています。
この法律により、自治体は特定空き家に指定された建物に対して、所有者に対し改善措置を命じることができるようになりました。
命令に従わない場合、自治体は直接改善作業を行い、
その費用を所有者に請求することが可能です。

さらに、この法律では、危険な状態にある空き家に対しては、撤去命令を出すこともできます。
このような措置は、公共の安全を守るために極めて重要です。
また、自治体によっては、空き家問題に対処するための独自の条例を制定し、より具体的な対策を講じています。

しかし、法的措置には限界もあります。
所有者が見つからない場合や、経済的な理由で対策を講じることが困難な場合も少なくありません。
そのため、法的措置だけに頼るのではなく、
地域社会全体で空き家問題に取り組む姿勢が求められています。

一方、管理不全空き家や特定空き家の所有者にとっても、法的なリスクを回避し、財産を守るためには、適切な管理と活用が必要です。
空き家が社会的な問題とならないよう、積極的な対策が求められています。

ここまで、管理不全空き家と特定空き家に対する対処方法と法的措置についてお伝えしましたが、
実際にはどのような取り組みが行われているのでしょうか？

次に、これからの空き家問題への取り組みについて考えてみましょう。

管理不全空き家と特定空き家の取り組み方向性

管理不全空き家と特定空き家の問題に対して、
自治体や地域社会がどのような取り組みをしているか、
その方向性について考えてみましょう。
具体的な取り組みと今後の方向性に焦点を当てます。

自治体や地域によっては、空き家を地域の資源とみなし、新しい住宅需要の創出や地域活性化のために利用している例があります。
たとえば、空き家をリノベーションし、若者や移住希望者に安価で提供するプロジェクトや、空き家をアートの展示スペースや地域コミュニティの場として再活用する試みなどが挙げられます。
これらの取り組みは、空き家が持つネガティブなイメージを払拭し、地域の魅力を高める効果が期待されています。

また、空き家問題の解決には、法的措置だけでなく、
所有者と地域社会との協力関係の構築も重要です。
所有者には、空き家の適切な管理や活用方法に関する情報提供や支援を行うことで、
問題解決への意識を高める取り組みが求められます。

さらに、地域住民と空き家所有者が連携し、
空き家を地域の資源として共有することで、
新しい地域づくりの可能性が広がります。

まとめ

管理不全空き家と特定空き家の違いとは

今回は、管理不全空き家と特定空き家への対処方法と法的措置についてお伝えしました。
今後の取り組み方向性として、自治体や地域社会が空き家を地域資源として積極的に活用する動きがあります。
空き家問題は、所有者と地域社会が協力して取り組むことで、新たな可能性を開くことができます。

空き家問題の解決には、一人ひとりの意識と行動が大切です。
この記事を通して、管理不全空き家と特定空き家の違い、それらに対する対処方法、そしてこれからの取り組み方向性について理解を深めることができたと思います。