2023.06.16

相続税の基礎控除とは？ポイントを徹底解説

はじめに、相続税は亡くなった方の財産や資産を相続する人が支払う税金です。
これは国や地方自治体によって課税され、相続財産の価値に応じて課税されることが一般的です。

基礎控除は、相続税の税額計算において非常に重要です。
基礎控除は、相続税の課税対象額から差し引かれることで、相続税の負担を軽減する役割を果たします。

基礎控除の重要性は、相続財産の価値に応じて相続税が上昇するため、その額が大きければ大きいほど相続税の負担が軽減されます。これは特に高額な相続財産を持つ場合には重要です。

例えば、基礎控除額が1000万円であれば、相続財産がその額以下であれば相続税はゼロとなります。
つまり、相続財産が基礎控除額を超えていない場合は、相続税の支払いは免れることができます。

基礎控除は誰でも利用できる一定の金額が設定されており、相続税の計算において重要です。
したがって、相続税の支払いを検討する際には、基礎控除の額や条件を正確に把握することが大事になってきます。

基礎控除を適用することで、相続税の負担を最小限に抑えることができます。
節税策としても活用される基礎控除は、相続税に関わる方にとって重要なポイントです。

今回は、相続税に関する基礎控除について、わかりやすく説明します。

相続税の基礎知識

相続税の対象となる財産の範囲

相続税の対象となる財産は、さまざまなものがあります。具体的には、不動産（家や土地）、預貯金、株式や債券、宝石や車などが含まれます。これらは相続される財産の一部であり、一定の基準を超える場合に相続税が課されることになります。

例えば、祖父から家や土地を相続した場合、その価値が一定の金額を超えると相続税が発生します。
また、祖母が持っていた預金や株式、宝石なども相続税の対象です。

ただし、大切なポイントは、相続財産の全てが相続税の対象となるわけではないということです。
相続税の対象となる財産は、相続人や法人によって異なります。
一定の金額以下の範囲であれば、相続税が課されない場合もあります。

また、続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産や
相続時精算課税制度を選択した場合に贈与を受けた財産の価格は、相続税の課税対象となります。

相続税の対象となる財産の範囲を理解することは重要です。
相続に関わる際には、相続財産の種類やその価値を把握し、相続税の計算や手続きを適切に行う必要があります。

相続税の課税対象者と法人の場合

相続税の課税対象者は、亡くなった方の遺産を相続する個人や法人です。
直系の親族や配偶者、兄弟姉妹などが一般的な課税対象者です。

ただし、法人の場合には特別なルールがあります。
法人が相続税の課税対象となる場合、相続された財産の一部が非課税となる特例があります。
この特例は、法人が相続財産を事業の一環として使用する場合に適用されます。

具体的には、法人が相続した土地や建物を自社のオフィスや工場として使用する場合、一定の条件下で相続税の一部が非課税となる場合があります。これは法人の事業を支えるために特例が設けられているものです。

相続税における法人の特例は少し複雑ですが、法人が相続財産を事業に活用する場合に税負担を軽減する仕組みとなっています。

相続税の税率について

相続税は、一律の税率ではなく、超過累進課税という方法で計算されます。
この方法では、相続財産の額が一定の基準を超えると、超過分に対して高い税率が適用されます。

例えば、相続財産の基準額が1000万円で、相続した財産が1500万円だった場合、超過分の500万円に対して高い税率がかかります。
税率は段階的に上昇し、超過額が大きくなるほど高い税率が適用されます。

この超過累進課税の仕組みは、富裕層の方がより多くの税金を負担することで
社会的な公平性を実現しようとするものです。
財産が多い人ほど高い税率が適用されるため、社会の格差を縮める効果が期待されています。

ただし、超過累進課税の税率や範囲は国や地域によって異なるため
具体的な計算にはそれぞれの税法や税率スケジュールを確認する必要があります。

基礎控除とは

相続税の基礎控除は、亡くなった人が残した遺産のうち、一定の金額までは相続税がかからないという控除です。
基礎控除は、相続税の対象となる遺産の総額から差し引かれ、その金額までは相続税が免除されます。

基礎控除の額は年々改定されており、最新の情報に基づいて適用されます。
控除額が増えると、相続税の課税対象額が減少し、実際に支払う税金が少なくなる利点があります。

基礎控除は、相続税の課税対象となる財産の中で無条件に適用されるため、誰でも受けることができます。
ただし、基礎控除額を超える金額については、超過分に対して相続税が課税されます。
超過累進課税の仕組みが適用され、超過分に対して段階的に高い税率が適用されることになります。

基礎控除の目的は、相続財産に対する課税を公平に行い、相続人の経済的負担を軽減することです。
また、遺産の相続時における基礎控除の免除額は、国や地方自治体の税制改正によって変動するため
最新の情報に基づいて確認することが重要です。

相続税についての詳細や最新の基礎控除額について
国や地方自治体の公式ウェブサイトや税務署の情報を参照しましょう！

相続税申告と手続き

相続税申告が必要な場合、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に、税務署に申告書を提出する義務があります。

相続税申告の期限と必要書類

相続税申告書の提出期限は、被相続人が亡くなった日の翌日から10か月です。
相続税申告書には、被相続人の個人情報、相続財産の評価額、相続人の関係などが含まれます。
申告書には、相続税評価基準の選択や申告内容の説明が必要です。

相続税申告書の作成と提出

相続税申告書は、税務署が指定する書式を使用して作成します。
申告書の作成には、被相続人の財産目録や財産評価書などの証拠書類が必要です。
申告書は、税務署に郵送または直接提出することができます。

相続税申告の注意点

相続税申告書の提出期限に遅れると、遅延税や罰則金が発生する可能性があります。早めの申告が重要です。
相続税申告書には正確な情報を記入する必要があります。
不正確な情報や虚偽の申告は罰則の対象となりますので気をつけましょう。

相続税の納付

相続税申告後、税務署から相続税の納付通知が送付されます。
納付期限までに相続税を納付する必要があります。
相続税の納付方法は、銀行振込や税務署への直接納付などがあります。
相続税の納付が困難な場合は、税務署に相談して分割納付や特例措置の適用を検討することができます。

相続税申告は重要な手続きであり、正確な情報の提供と期限を守ることが求められます。
申告書の作成や相続税の計算には複雑な要素が含まれる場合もあるため、専門家の助言を受けることがおすすめです。
税理士や税務署の相談窓口などを利用して、適切な相続税申告手続きを行いましょう。

e-Tax（国税電子申告・納税システム）を使った電子申告も可能

e-Tax（国税電子申告・納税システム）とは
e-Taxは、国税庁が提供するオンラインの申告・納税システムであり、個人や法人が国税関連の手続きを電子的に行える仕組みです。
e-Taxを利用することで、申告書の作成・提出、納税の手続き、所得税や相続税の試算などをオンライン上で行うことができます。

相続税の電子申告のメリット

紙の申告書作成や郵送手続きの手間を省くことができます。
デジタル化により、情報の入力や修正が容易になり、正確な申告が行いやすくなります。
電子申告の場合、受理通知書や納付書の印刷や保存ができるため、必要な書類の保管が簡便になります。

e-Taxを利用した相続税申告の手続き

e-Taxを利用するためには、事前に国税庁のウェブサイトからe-Taxの利用者登録を行う必要があります。
登録後、e-Taxのポータルサイトにログインし、相続税の電子申告を選択します。
電子申告用の申告書フォームに必要事項を入力し、評価額や相続人の情報などを提供します。
入力が完了したら、申告書を送信して提出完了となります。

注意点とセキュリティ

e-Taxを利用する際は、セキュリティ対策に十分注意する必要があります。
パスワードの適切な管理や不正アクセスに対する防御策を実施しましょう。
e-Taxは一部の特定のブラウザやOSでのみ利用可能な場合があります。利用可能な環境を事前に確認しましょう。

e-Taxを利用した相続税電子申告は、手続きの簡便化と正確性の向上をもたらします。
ただし、電子申告にはセキュリティに関する注意が必要です。
十分な情報の入力とセキュリティ対策を講じた上で、e-Taxを活用して相続税申告を行いましょう。

基礎控除の税制改正

2015年1月1日以降の税制改正により、相続税の基礎控除額は大幅に変更されました。
これまでの控除額の算式は「5000万円＋法定相続人の数×1000万円」でしたが、新たな基礎控除額は「3000万円＋法定相続人の数×600万円」となりました。
この変更により、基礎控除額はなんと40％も削減されることとなりました。

では、なぜこのような変更が行われたのでしょうか？

税制改正の目的は、公平性や財政健全性を考慮した税制の構築です。
相続税の基礎控除額が高額であると、高額な財産を相続する人々に対して過度に優遇されることになり、富裕層との格差が広がる可能性があります。
そのため、相続税の基礎控除額を引き下げることで、富の再分配や社会の公平性を追求する意図がありました。

しかし、基礎控除額の削減により相続人の負担が増える一方で、相続財産の評価額の上昇や相続税率の見直しも行われています。
これらの要素を総合的に考慮することで、相続税の課税額は個別の事例によって異なる結果となります。

相続税の基礎控除額の変更は、税制改正の一環として行われたものであり、社会的な要請や経済状況の変化に応じて見直されることがあります。
税制改革は複雑な問題であり、個々の事情や立場によって評価が分かれることもありますが
公平性や財政の健全性を追求するために必要な措置とされています。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

今回は、相続税について解説しました。

もし相続税の金額が気になる方がいらっしゃる場合は、相続税の計算方法や早見表を活用して相続税額を確認してみることをおすすめします。

これを機に、自身や家族の将来のために相続税について理解を深めてみてはいかがでしょうか。