日銀の追加利上げで変動金利はどうなる?返済額が上がるのはいつから

2026年9月18日、日本銀行は追加利上げを決定し、政策金利は1.0%程度から1.25%程度へ引き上げられました。変動金利で住宅ローンを返済中の方にとって気になるのは、「自分の返済額はいつ、いくら増えるのか」という点でしょう。

結論から言うと、今回の利上げが毎月の返済額に届くまでには、かなりの時間差があります。この記事では、利上げが返済額に反映されるまでの流れと、今のうちにやっておきたい備えを整理します。

利上げが返済額に届くまでの3段階

日銀が利上げをしても、翌月から返済額が増えるわけではありません。実際には次の3段階を経て、ようやく家計に届きます。

  1. 日銀が政策金利を引き上げる
  2. 銀行が住宅ローンの「基準金利」を引き上げる(多くの銀行では、短期プライムレートの引き上げを受けて改定)
  3. 既存の借り手の「適用金利」が見直される

実際に支払う適用金利は、基準金利から契約時に決まった引き下げ幅を差し引いて計算されます。この引き下げ幅は完済まで変わりません。そして既存の借り手の適用金利は、多くの銀行で年2回、4月1日と10月1日を基準日として見直されます。そのため、基準金利が引き上げられても、すぐに自分の金利が上がるわけではないのです。

今回の利上げが適用金利に反映されるのはいつか

現在進行しているのは、次の2つの流れです。

  • 2026年6月の利上げ分:多くの銀行で2026年10月1日の基準日に反映される見込みで、適用金利が上がるのは2027年1月の返済分以降
  • 2026年9月の利上げ分:次の基準日である2027年4月に反映される見込みで、適用金利が上がるのは2027年7月の返済分以降が一般的

ただし、ここで上がるのはあくまで「金利」です。次に説明する5年ルールが適用される方は、この時点では毎月の返済額は変わらず、内訳だけが変わります。返済額が実際に増えるのは、5年ごとの見直し時です。

返済額の急増を抑える2つのルールと注意点

「5年ルール」で返済額は5年間変わらない

多くの銀行の変動金利型住宅ローン(元利均等返済)には、「5年ルール」という仕組みがあります。適用金利が上がっても、5年間は毎月の返済額が変わらないというものです。上がった分は、返済額の内訳である元金と利息の割合を調整することで吸収されます。

一見すると安心な仕組みですが、注意点があります。返済額が同じでも利息の割合が増えるため、元金の減りが遅くなるのです。総支払額は確実に増えています。「返済額が変わっていないから影響なし」ではない点を押さえておきましょう。

「125%ルール」と未払利息のリスク

5年が経過して返済額が見直される際も、新しい返済額は従来の125%が上限と決められています。これが「125%ルール」です。毎月10万円だった返済額は、どれだけ金利が上がっても12万5,000円までしか増えません。急激な負担増を防ぐための仕組みです。

ただし、抑えられた分が免除されるわけではありません。払いきれなかった元金や利息は、最終回の返済に上乗せされます。負担を将来に繰り延べている状態だと理解しておく必要があります。

さらに注意したいのが「未払利息」です。金利が急激に上昇すると、その月に発生する利息が毎月の返済額を上回ることがあります。返済しても元金がまったく減らないどころか、払いきれない利息が積み上がっていく状態です。5年ルールによって返済額が固定されているぶん、金利上昇のスピードが速いほどこのリスクは高まります。

ルールが適用されない人もいる

すべての人がこの2つのルールに守られているわけではありません。元金均等返済で借りている方は5年ルール・125%ルールの対象外で、金利が見直されるたびに返済額が変わります。また、一部の金融機関の商品はそもそもこれらのルールを採用しておらず、半年ごとなど金利が見直されるたびに返済額も変わるものがあります。自分がどちらに当てはまるかは、金銭消費貸借契約書で確認できます。毎月の返済額が一定であれば元利均等返済です。

返済中に金利が1%上がると返済額はいくら増えるのか

では、返済の途中で金利が上がると、返済額はどの程度増えるのでしょうか。借入額3,000万円・返済期間35年・金利1.0%(元利均等返済)で借り、10年後に金利が2.0%へ上がったケースで試算してみます。

  • 当初の返済額:毎月約84,700円
  • 10年後のローン残高:約2,247万円
  • 残り25年を金利2.0%で返す場合の返済額:毎月約95,200円(約10,600円増)

この例では、125%ルールの上限である約105,900円の範囲内に収まっています。5年ルールで返済額が据え置かれている間も、元金の減りが遅くなる分、総支払額は増えていきます。見直し時に返済額が一気に上がって慌てないよう、あらかじめ目安を知っておくことが大切です。

今のうちにやっておきたい3つのこと

  1. 自分の適用金利を確認する。銀行の広告に出ている新規向け金利ではなく、会員ページや返済予定表に記載された自分自身の金利を見ます
  2. 5年ルールの有無と次の見直し時期を確認する。契約書か金融機関の公式サイトで、いつ返済額が見直されるのかを把握しておきます
  3. 金利が1%上がった場合の返済額を試算する。各銀行のシミュレーターを使い、家計が耐えられる水準かを確かめておきます

そのうえで、繰り上げ返済で元金を減らす、固定金利へ借り換える、返済期間を見直すといった選択肢を検討していくことになります。ただし借り換えには、事務手数料や登記費用などで数十万〜100万円程度の諸費用がかかることもあるため、金利差だけで判断せず、総支払額での比較が欠かせません。まずは現状を正確に把握することが出発点です。

まとめ

  • 2026年9月18日の利上げで、政策金利は1.25%程度に
  • 既存の借り手の適用金利は、多くの銀行で年2回(4月・10月)の基準日に見直される
  • 9月の利上げ分が適用金利に反映されるのは、2027年7月の返済分以降が一般的
  • 5年ルール適用の方は、返済額が増えるのは5年ごとの見直し時。ただし総支払額は増えている
  • 元金均等返済や一部の金融機関の商品は、5年ルール・125%ルールの対象外

金利のある時代が続くなか、住宅ローンは「借りて終わり」ではなく、定期的な見直しが欠かせません。浜野不動産では、住宅の購入・住み替えのご相談はもちろん、資金計画についてもお話を伺っています。「今の返済を続けて大丈夫か」「住み替えを考えているが金利が心配」といったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

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